築年数と家賃で請求は判定しない
退去費用が妥当かを、築年数と家賃だけで判定することはできません。築年数は、壁紙や設備を最後に交換した日とは限りません。家賃は、工事の単価ではありません。
この記事は、請求を認める基準でも、減額できる基準でもありません。比べる前に、足りない情報を見つけるための区別です。
築年数と、部材の経過は別
建物が古くても、入居前に壁紙や設備を替えていれば、その部材は新しいです。逆に、新しい建物でも、前の入居者から交換されていない部位はあり得ます。確認するのは、建物の完成年ではなく、請求されている部位の最終交換時期です。不明なら不明と残します。
壁紙の6年というガイドラインの例も、居住年数だけで完結しません。詳細は 壁紙の張替え請求で確認すること です。
家賃の何か月分は、規模の感触にとどめる
請求総額を家賃で割ると、何か月分という数字は作れます。これは大きさの感触であり、高い適正の判定ではありません。相談事例に出てくる家賃と請求額の組合せを、相場として転用もしません。
契約に「清掃は家賃の何か月分」と書いてある場合、それは契約の計算式です。工事の市場価格とは別の文です。計算式の読み方は 賃貸契約の特約で見るところ です。
単価に必要な情報
国土交通省の費用の考え方は、損傷の事実と責任、施工範囲、部材の経過、負担割合、数量と単価の順で見る、という整理です。単価は地域、工法、材料で変わり、全国一律の表にはなっていません。参考は 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン です。
なので、明細に単価が無いときに築年数で補完はしません。単価、数量、範囲を尋ねます。欄の分け方は 退去費用の明細で最初に見る欄 です。
貸す側が見るときも同じ
自分が貸す側でも、築年数と家賃から退去費用を見積もって利回りに入れるのは、その物件の交換履歴が無い限り仮の数字です。預りと明細と空室を分ける話は 賃貸経営で退去費用を見る点 に書いてあります。